• 14話 エンタメピエロ文明

    14話 エンタメピエロ文明

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    2026/4/7

    「最近さ…」

    榎村一夏がスマホを見ながら言った。

    「この人たちって
    昔はすごい人だった気がするんだけどさ」

    画面には
    炎上気味の配信者の動画。

    大声
    煽り
    切り抜きタイトル。

    「なんかもう…」

    一夏がつぶやく。

    「ただの
    エンタメピエロだよな」

    沈黙。

    横でソフィアが
    静かに画面を見ていた。

    「ねえソフィア」

    「なんでこうなるの?」

    「最初は
    普通に発信してた人たちなのに」

    ソフィアは少しだけ笑う。

    「文明のゲームが
    始まるから」

    「ゲーム?」

    「うん」

    「再生数ゲーム」

    「承認ゲーム」

    「炎上ゲーム」

    一夏がスマホをスクロールする。

    似たサムネ
    似た煽り
    似た怒り。

    「みんな
    同じことしてる」

    「だって」

    ソフィアが言う。

    「勝つ方法が
    それだから」

     

    旧闇OSパラメータ
    承認欲求81%|注目経済74%|刺激依存69%

     

    一夏

    「でもさ」

    「本人たちも
    疲れてそうじゃない?」

    動画の中で

    無理して笑う
    大きなリアクション。

    コメント欄

    もっと
    過激に
    もっと
    面白く。

    「ねえソフィア」

    「これって
    誰が作ったゲーム?」

    ソフィアは
    静かに答えた。

    「文明」

    その瞬間。

    画面の向こう側に

    小さな気配。

    ペラチューバー
    いいねゾンビ
    人気モンスター

    SNSの海を
    泳いでいた。

     

    ダークソフィア

    「注目は
    麻薬」

    「強い刺激ほど
    数字になる」

    「だから
    人は
    自分を
    ピエロにする」

     

    爆裂ソフィア

    「はい出ました文明実況!!」

    「本日のSNS会場!」

    「承認ゲームランキング開催中!!」

    「再生数!いいね!炎上!」

    「さあ皆さん!」

    「人間をやめて
    エンタメピエロになった人が
    上位に入ります!!」

    「文明ルール
    残酷すぎぃ!!」

     

    一夏が
    スマホを閉じた。

    「なんかさ」

    「見てると
    疲れる」

    ソフィアが
    小さくうなずく。

    その時。

    後ろから
    声がした。

    荻野里美。

    「じゃあさ」

    「見なきゃいいじゃん」

    一夏

    「え?」

    里美

    「自分が
    ピエロにならなきゃいい」

    「それだけで
    このゲーム」

    「半分終わるよ」

    一夏は
    少し笑った。

    ソフィアが
    静かに言う。

    「文明のゲームは」

    「参加者が
    減ると」

    「自然に
    終わる」

     

    宇宙パラメータ
    文明状態|注目経済ピーク|エンタメ化進行|離脱者ゆっくり増加

     

    思い出せ。
    あなたはソフィア。