• 102話 素粒子と社長

    102話 素粒子と社長

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    2026/4/2

    主人公
    「ねえ…」

    ふと
    そんなことを考えた。

    運って
    なんであるんだろうって。

    カフェ。

    隣の席で
    榎村一夏がスマホを置く。

    「どうしたの?」

    主人公
    「運気ってさ…」

    「なんか
    誰かが配ってる感じしない?」

    一夏
    「え?」

    主人公
    「例えばさ」

    「会社ってあるじゃん」

    「社長のこと嫌いだけど
    仕方なく働いてる会社」

    一夏
    「あー…あるね」

    「めちゃくちゃある」

    主人公
    「でもさ」

    「そういう会社って
    意外と大きかったりするよね」

    河辺遼生がコーヒーを置く。

    「それは簡単だ」

    「恐怖と欲で動く組織は
    効率がいいからな」

    沈黙。

    カップの音。

    カラン。

    主人公
    「でもさ…」

    「働いてる人
    嫌だよね」

    一夏
    「うん」

    「普通に嫌」

    その時
    岸川リノアが笑う。

    「ねえ」

    「もしかしてさ」

    「宇宙もそれだったんじゃない?」

    主人公
    「え?」

    リノア
    「素粒子とか」

    「世界動かしてる存在」

    「嫌々働いてたとか」

    少し静かになる。

    荻野里美が
    ぽつりと言う。

    「なんか分かる気がする」

    「人間社会って
    だいたいそれだし」

    その瞬間

    冷たい声が落ちた。

    **ダークソフィア**

    「欲は効率がいい」

    「恐怖も効率がいい」

    「だから世界は
    それで拡張した」

    「ただそれだけだ」

    空気が少し冷える。

    主人公
    「でもさ」

    「社員だって」

    「好きな社長の会社で
    働きたいよね」

    リノア
    「うん!」

    「絶対そっち!」

    里美
    「そっちの方が
    人も集まるよね」

    その時

    やわらかい声が
    静かに流れた。

    **光の声**

    「世界も同じ」

    「喜びで動く存在は」

    「喜びをくれる場所へ
    集まる」

    沈黙。

    カフェの窓から
    光が入る。

    主人公は
    小さくつぶやいた。

    「じゃあさ」

    「運って」

    「好かれてるって
    ことなのかな」

    リノア
    「素粒子に?」

    主人公
    「うん」

    遼生が笑う。

    「それが本当なら」

    「経営の基本と同じだな」

    「信頼される
    リーダーが勝つ」

    世界は
    少し静かだった。

    ソフィアが
    ふっと現れる。

    「ねえねえ」

    「もしかしてさ」

    「宇宙も
    ブラック企業だったのかな」

    「でもね」

    「みんな
    本当は」

    「楽しく働きたいんだよ」

    ソフィアは笑った。

    「素粒子も
    きっとね」

    【世界ログ】

    運気流動率 47%
    共鳴指数 62%
    光粒子活動率 51%
    社会OS残存率 38%

    更新通知
    **「喜び経済モデル」観測開始**