• 73話 亡霊になる信頼

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    2026/3/30

    夜。

    榎村一夏はスマホを閉じた。

    「…なんか最近さ」

    河辺遼生が言う。

    「人を巻き込んでさ、壊してさ、
     次の日には知らん顔して次のビジネス行くやつ多くない?」

    一夏は少し笑った。

    「ゲームだと思ってるんだろうね」

    沈黙。

    窓の外の街は静かだった。

    一夏が小さくつぶやく。

    「でもさ」

    「人の人生って、
     リセットボタンないんだよ」

    世界ログ
    人類ビジネス行動|短期利益志向78%|信頼軽視64%|炎上経済増加

    遼生が肩をすくめる。

    「弱い人巻き込んで終わったら次、って?」

    一夏

    「うん」

    「でもね」

    「それ、終わってないんだよ」

    「亡霊になる」

    遼生

    「亡霊?」

    一夏

    「信頼ってさ」

    「積み上げた時間しか証明できないから」

    「メディア露出とか
     有名人の名前とか」

    「全部、下駄」

    「時間が来たら消える」

    静かな声が落ちた。

    ダークソフィア

    「他人の人生を壊した者は
     必ず社会に記録される」

    「忘れられるのではない」

    「信用から永久に削除されるだけだ」

    その瞬間

    爆裂ソフィア

    「はい来ましたぁぁぁ!!
    信用クラッシュ祭りぃぃぃ!!
    暴挙ビジネス大暴落ぅぅぅ!!」

    一夏は苦笑した。

    「だからさ」

    「貧乏神っているんだよ」

    遼生

    「疫病神みたいな?」

    一夏

    「うん」

    「関わると、全部持ってかれるやつ」

    「金も」

    「信頼も」

    「未来も」

    一夏は静かに言った。

    「だから」

    「近づかないこと」

    宇宙ログ
    人類社会|信頼崩壊観測|亡霊化記録増加|文明転換期観測中