• 50話 恐怖OSの正体

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    2026/3/29

    主人公は
    その話を聞いて
    少し黙った。

    体が痛い。

    理由が分からない。

    そういう夜は
    たしかにある。

    榎村一夏が
    静かに言う。

    「人間ってさ」

    「原因が分からないと」

    「すぐ
    “何かのせい”にしたくなるよな」

    岸川リノアが
    少しだけ首をかしげる。

    「でも」

    「怖いものに
    意味をつけたくなるのは」

    「人間の普通かも」

    里美が
    コーヒーを置いた。

    「祈祷とか」

    「浄化とか」

    「そういうのって」

    「安心の装置なんじゃない?」

    遼生が
    少し笑った。

    「社会OSだな」

    「恐怖を作る」

    「恐怖を解決する」

    「同じシステムが
    両方やる」

    主人公は
    その言葉を聞いて
    少し考えた。

    怖い。

    だから
    すがる。

    そして
    また怖くなる。

    ダークソフィアが
    静かに言った。

    「恐怖は」

    「最も効率のいい
    支配装置」

    沈黙。

    そのとき
    光の声が
    とても静かに言った。

    「でもね」

    「人間には
    もう一つの力がある」

    「考えること」

    「気づくこと」

    リノアが
    ふっと笑う。

    「たしかに」

    「人間って」

    「変な生き物だよね」

    「怖がるけど」

    「それでも
    自分で考え始める」

    主人公は
    窓の外を見た。

    世界は
    相変わらず回っている。

    怖いことも

    分からないことも

    たくさんある。

    でも。

    全部が
    誰かの仕業とは限らない。

    そのとき

    ソフィアが
    少しだけ笑った。

    「人間ってね」

    「怖い世界でも」

    「自分の頭で
    自由を見つけられる生き物なんだよ」

    **世界ログ**

    恐怖利用率   72%
    思考起動率   41%
    自立覚醒率   18%
    社会OS干渉度  64%
    観測安定度   69%