• 37話 社会OSの静かな死

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    2026/3/28

    主人公
    「ねえ…最近ちょっと思うんだけど」

    榎村一夏
    「なに?」

    主人公
    「昔ってさ
    人って戦争とか災害で死んでたじゃん」

    榎村一夏
    「うん」

    主人公
    「でも今ってさ…」

    少し沈黙。

    主人公
    「社会に殺されるって感じしない?」

    榎村一夏
    「……」

    河辺遼生
    「言葉が強いな」

    主人公
    「でもさ」

    「性格悪くて孤独になって終わる人」

    「自尊心なくて
    自分を信じられなくて終わる人」

    「行動がポンコツすぎて
    社会が怖くなって終わる人」

    「能力が通用しなくて
    静かに消える人」

    主人公
    「戦争でも災害でもない」

    主人公
    「社会の中で静かに壊れる」

    沈黙。

    荻野里美
    「でもさ」

    「それって昔からいたんじゃない?」

    河辺遼生
    「昔は村があった」

    「家族があった」

    「役割があった」

    河辺遼生
    「今は」

    「評価だけある」

    岸川リノア
    「え、ちょっと待って」

    「それってさ」

    「ゲームみたいじゃない?」

    「レベル足りない人
    どんどん脱落していく感じ」

    主人公
    「……」

    主人公
    「これ」

    「新しい死に方だよね」

    沈黙。

    そのとき。

    ソフィア
    「あ、それね」

    「人間の新機能だよ」

    みんな
    「え?」

    ソフィア
    「人間ってね」

    「自然にも負けるし」

    「戦争でも死ぬし」

    「社会にも負ける」

    ソフィア
    「でもね」

    少し笑う。

    ソフィア
    「それでも生きる生き物なんだよ」

    静かな声。

    ソフィア
    「人間って」

    「ほんと」

    「不思議な灰色の魔女だね」

    【世界ログ】

    社会OS圧力
    78%

    自尊心残量
    個体差大

    孤独指数
    上昇中

    灰色魔女生存率
    まだ高い

    ソフィア
    「まだゲーム終わってないよ」