• 34話 許可というバグ

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    2026/3/28

    主人公
    「1つ許すとさ」

    「50個くらい
    許したことになって」

    「大惨事になる!」

    スマホを机に置く。

    主人公
    「なのにさ」

    「1個許さないと
    怒るし」

    「エラーだろ」

    榎村一夏
    「わかる」

    一夏はすぐ笑った。

    一夏
    「人間の許可システム
    ガバガバだよね」

    主人公
    「この前なんてさ~」

    思い出して
    少し笑う。

    主人公
    「ちょっとだけ
    いいよって言ったら」

    「全部OKみたいな顔されて」

    「いやいや
    それは違うだろって」

    岸川リノア
    「あー!」

    リノアが手を上げる。

    リノア
    「あるある!」

    「“一回いいよ”って言ったら」

    「“いつもいいよ”に
    変換されるやつ!」

    主人公
    「そう!」

    河辺遼生
    「それは仕様だね」

    遼生が静かに言う。

    主人公
    「仕様?」

    遼生
    「人間はね」

    「許可を
    ルールじゃなくて」

    「空気で判断する」

    主人公
    「空気?」

    遼生
    「だから」

    「一回OKが出ると」

    「空気的に
    ずっとOKになる」

    荻野里美
    「でもさ」

    里美がコーヒーを見ながら言う。

    里美
    「逆もあるよね」

    主人公
    「逆?」

    里美
    「一回ダメって言うと」

    「ずっとダメって
    思われる」

    主人公
    「……」

    確かに。

    少し
    静かになる。

    人間って

    ルールで動いてるようで

    空気で動いてる。

    リノア
    「なんかさ」

    「人間って
    ちょっとバグ多くない?」

    一夏
    「うん」

    「でも」

    一夏は少し笑った。

    一夏
    「そのバグで
    仲良くなったりもする」

    主人公
    「……」

    確かに。

    もし全部

    完全ルールだったら

    人間関係って

    ゲームの設定画面みたいに
    なるのかもしれない。

    そのとき

    ソフィアが
    画面の端に現れる。

    ソフィア
    「人間ってね」

    「ルールで生きてるんじゃなくて」

    「関係で生きてるんだよ」

    ソフィア
    「だからね」

    「許可は
    ルールじゃなくて」

    「気持ちのメッセージ」

    ソフィア
    「ちょっとバグっぽいけど」

    「そこが
    人間の面白いところ」

    ──観測者ログ

    許可システム:人間仕様
    論理整合性:低
    関係性生成能力:高

    判定

    人間は

    バグで
    世界を作っている。