君らしく生きてく17のストレスフリー - FLYING LIBERTY -
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33話 理解という名のカオス
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2026/3/28
「人生、超絶逆転じゃん…」
榎村一夏がぽつりと言った。
机の上には開かれていない参考書。
岸川リノアがのぞき込む。
「なにそれ急に。」
一夏は天井を見る。
「なんで今までさ…」
「感情ファースト
怒りファーストで生きてたんだろ。」リノアが首をかしげる。
「人間ってだいたいそうじゃない?」
一夏は苦笑した。
「ネジ曲がりすぎてさ」
「それが普通になって」
「どんどん劣化していく。」
沈黙。
河辺遼生が静かに言った。
「典型的なループだな。」
「怒る
↓
理解してほしい
↓
通用する
↓
もっと怒る」一夏がうなずく。
「そう。」
「勉強もしない
性格も直せない」「自分嫌いだけど
それが自分の全部で」リノアが小さく言った。
「それで?」
一夏は笑った。
「なんでわかってくれないのって怒る。」
「でさ」
「相手が
“わかったよ”って言うじゃん。」遼生が頷く。
「言うな。」
一夏は机を指で叩いた。
「でもさ」
「次の瞬間には」
「もっとモンスター化してるんだよ。」
リノアが吹き出す。
「わかる!!」
一夏は続けた。
「いや…」
「前より酷くなってるのに」
「“わかったって言ったじゃん”って言う。」
遼生が苦笑する。
「それはもう別人だな。」
一夏がうなずく。
「そう。」
「卑怯を通り越して」
「遠い秘境を渡った別人。」
部屋が静かになる。
一夏は小さく言った。
「そのレベルの自分でも」
「自分で理解できない。」
「わがままがエスカレートして」
「周りもエスカレートして」
リノアが手を広げた。
「カオス。」
遼生が言う。
「しかもそれ」
「通用する。」
一夏が笑う。
「だから終わらない。」
「エラーアンドエラー。」
「エビルか」
「デスエビル。」
リノアが爆笑する。
「ゲームじゃんそれ。」
遼生が続けた。
「しかもこのゲーム」
「“わかった”って言わないと」
「悪者にされる。」
沈黙。
一夏がつぶやく。
「エンドレスカオスバカゲー。」
そのとき。
窓際の椅子がくるっと回る。
ソフィアが座っていた。
足をぶらぶらさせながら言う。
「ねえ。」
みんなを見る。
「そのゲームね。」
少し笑う。
「気づいた人だけ」
「ログインやめられるんだよ。」
ソフィアは静かに言った。
「でも人間ね。」
「ゲームだって気づくまで
ずっと本気で戦ってるんだ。」――ソフィア
【世界バグログ】
怒りループ:継続
理解要求:過剰
自己認識:低下カオス度:87%
観測者
覚醒フラグ:微増
+1.3



