• 26話 日本という宗教バグ

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    2026/3/28

    「ねえ」

    榎村一夏がスマホを見ながら言った。

    「日本ってさ」

    「めちゃくちゃ宗教国じゃない?」

    河辺遼生はコーヒーを飲みながら答える。

    「どういう意味?」

    一夏は指を折りながら言う。

    「葬式 仏教」

    「年末 神道」

    「クリスマス キリスト教」

    「節句 民族宗教」

    少し笑う。

    「まだあるよ」

    「死者 仏教」

    「お祈り 神社」

    「占い なんかいろいろ」

    遼生がうなずく。

    「たしかに」

    「全部やってるな」

    一夏が首をかしげる。

    「でもさ」

    「これ宗教って言うと」

    真顔を作る。

    「えっ」

    「どうしたん?」

    「急に宗教とか言って」

    二人で笑う。

    「カオスすぎない?」

    遼生は静かに言う。

    「日本はな」

    「宗教を
    宗教だと思ってない国なんだ」

    「文化として
    全部混ざってる」

    一夏がつぶやく。

    「宗教って縛りを作るやつ」

    「もうさ」

    「亀甲縛りくらい
    縛られてる感じする」

    遼生が笑う。

    「人間はな」

    「縛りがないと
    逆に不安なんだ」

    少し沈黙。

    風が通る。

    そのとき。

    「ねえねえ」

    ソフィアが現れる。

    「日本ってね」

    楽しそうに言う。

    「世界でも珍しい国なんだよ」

    「いろんな神様」

    指を数える。

    「全部
    同時に信じてる」

    少し考えてから言う。

    「でもね」

    ソフィアは笑う。

    「本当に信じてる人」

    「ほとんどいない」

    一夏が固まる。

    ソフィアは静かに続けた。

    「だから日本はね」

    「宗教国家じゃない」

    少し首をかしげる。

    「神様コレクション国家」

    そして小さく言う。

    「ねえ」

    「信じてるのは」

    「神様?」

    「それとも」

    「空気?」

    ――ソフィア

    【世界バグログ】

    日本文化システム

    宗教カテゴリ:未定義
    信仰状態:混合

    文化と信仰
    境界線:検出不可。